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肩周辺の骨折(上腕骨近位端骨折)について

上腕骨近位端骨折とはどのような骨折ですか?

上腕骨近位端骨折とは上腕骨は、肩関節から肘関節をつなぐ骨で、上腕骨近位端とは、上腕骨の肩関節より近くの部分をいいます。

肩関節は、関節の中で最も大きな可動域を持つ関節であり、上腕骨近位端骨折は、骨に付いている筋肉、腱により最大4つの部分に分かれてズレ(転位)を引き起こします。

上腕骨近位端骨折は、若い人ではスポーツや交通事故などの強い外力によって生じ、小児では骨端線(成長線)を含んで損傷する場合もあります。
高齢者では転倒などの軽い外力で生じることが多く、特に女性が多い傾向です。
大腿骨近位部骨折(股関節)、橈骨遠位端骨折(手関節)、脊椎圧迫骨折と並んで高齢者に多い骨折の一つです。

上腕骨近位端骨折の検査・診断とは?

単純X線撮影で診断が可能ですが、治療方法を決めるためには、骨折の転位程度の評価が重要になり、複数方向のX線検査、MRI検査、CT検査が情報を得るために有効です。

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上腕骨近位端骨折に合併する損傷とは?

上腕骨近位端骨折に合併する損傷には、神経損傷や脱臼があります。

  • 神経損傷:肩関節の挙上などの機能障害に影響します
  • 脱臼:骨折単独の場合と比べて、治療法が異なります

上腕骨近位端骨折の治療法とは?

転位のない骨折は、保存的治療の適応であり、三角布などで固定し、臥床、起床動作時に肩関節を安定させるため、バストバンドなどで上肢を体幹に固定します。3週間は固定を行います。固定期間中も手指の腫れを軽減させるため、手指の運動は積極的に行います。痛み、腫れの軽快に応じて、可動域訓練を開始していきます。

(図1) 髄内釘固定法
(図2) プレート固定法
手術適応は、骨折分類に従って行われ、骨折部の転位の程度が重要です。手術的治療の目的は、骨折部の安定性を得ることで痛みを早期に軽減させること、整復された位置で骨癒合を得ること、骨折を起こす前の肩関節の機能を獲得することを目的に手術的治療が選択されます。
手術方法は、鋼線などを用いる方法から、近年は、新しい固定材料である髄内釘固定法(図1)やプレート固定法(図2)が行われます。脱臼骨折の場合には、人工骨頭置換術が行われる場合もあります。

肩関節は、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)で知られるように拘縮(こうしゅく)と言って関節の制限がおこりやすい関節です。保存的治療、手術的治療ともに、骨折部の安定性(固定性)を得ることで、早期に後療法(可動域訓練)を開始することが大切です。

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上腕骨近位端骨折のリハビリテーションではどのようなこと をしますか?

状態に合わせて医師、看護師と連携しながら、手術された方は手術後の期間によってリハビリ内容を変更していきます。手術後直後は手指の腫れの軽減や手・肘関節の拘縮予防、骨折の状態によっては徒手的な肩関節の可動域練習や筋力トレーニングをしていきます。片手でできる生活動作の指導も行います。ご自分でできない生活動作については、看護師が援助して行います。術部が回復してきたら自主練習指導や日常生活活動に合わせた練習を行っていきます。

上腕骨近位端骨折の合併症と後遺症とは?

上腕骨骨折の合併症には、骨癒合遷延・偽関節、変形治癒、肩関節可動域の制限、上腕骨頭無腐性壊死があります。

  • 骨癒合遷延(こつゆごうせんえん)・偽関節(ぎかんせつ):
    全ての骨折の合併症として骨癒合の期間が遅れたり(遷延)、骨癒合しない(偽関節)場合があります。その時は、再手術が必要になります。
  • 変形治癒:
    重大な機能障害を残す場合には、手術的治療が必要になります。
  • 肩関節可動域制限:
    骨折する前と比較して、関節の動きの制限が残ります。
  • 上腕骨頭無腐性壊死(じょうわんこつとうむふせいえし):
    特殊な骨折型や脱臼骨折の場合に血行障害により上腕骨頭(関節部分)の壊死が起こる場合があります。 骨癒合が得られても、関節の変形を起こる場合もあります。
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