Q4 実際に介護士として働いてみてどうですか？
理想と現実のギャップはありましたか？

とにかく、めちゃくちゃ楽しいです。
業界用語が飛び交う環境も刺激的です。トランス？移乗ってなに？など今まで聞いたことのない言葉を聞いてはそのたびに調べて、次に活かすことが楽しいです。例えるなら、子供が新しい公園に行って、好奇心の赴くままにはしゃいでいる状態ですね。ただ、20代の私だったら楽しいと感じていなかったかもしれません。患者さんとのやり取りや慣れない環境に、気持ちが滅入ることの方が多かったかもしれません。

入職前は、どちらかと言えば病院は女性の多い職場だし、いろんな専門職がいる中で対人関係が不安でした。でも、そんなことを考えても現実は変わらないので、とにかく飛び込もうと思い、飛び込みました。飛び込んでみたら、楽しかったです。

ひとつ感じたことは、先輩方が未経験の私に対して不安を抱いておられるなぁということでした。私はこの歳で介護も医療も未経験で、ずっとスーパーで勤めていたので、迎え入れる側の先輩方は心配で不安だったと思います。何となくそんな目線を感じるときもありました。私は最初、勤めていたスーパーから引き止めがあり、東大阪病院には非常勤で火曜日と金曜日のみで働き始めました。その時の仕事は患者さんの入浴支援でした。入浴専門で働いていたので、先輩方は「業界未経験で、入浴専門だったらしんどくて長くは続かないだろう」と思っておられたと思います。私はその先輩方の心配や不安をかき消すために、わからないことはとにかく聞きまくりました。その姿勢が良かったのか、あっという間に病棟に溶け込むことができました。

Q5 未経験から介護の仕事にチャレンジしようと思っている人にメッセージはありますか？

介護の仕事は自分の世界観が広がります。人が10人いれば10通りの考え方があります。うまくやっていくには、人を自分の価値観に合わせようとしないことだと思います。他人に自分を押し付けようとするとうまくいきません。

未経験で新しいことにチャレンジする人には、新しい環境で、何より先に“教えてくれそうな人”を見つけてもらいたいです。
ここで勘違いしてほしくないのは、教えてくれそうな人＝(イコール)いつもニコニコしていて優しい人ではないということです。時には叱ってくれて、正してくれる人でないとダメです。定期的に声をかけてくれるような面倒見の良い人がよいと思います。一見話しかけづらいような先輩の方が、実は親身になってくださいますよ。

そして、対人関係をうまく乗り切るコツは、負けない気持ちを持つことです。未経験でのチャレンジはできないことの連続です。その状況に負けないでください。そして、分からないからと聞きまくると、時には同じことでもＡさんとＢさんで教えてくれることが違うこともあるかもしれませんが、その都度確認しながら進んでいくことが大切だと思います。

新しいことにチャレンジする人は頑張り過ぎて、疲れると思います。ただそんな一日の終わりに「今日は疲れたなぁ」と思うのではなくて、「今日はやり切った」と思うようにしてみてください。この心がけはおススメですよ！