[大腿骨骨折(脚の付け根・太ももの骨の骨折)について]
脚の付け根・太ももの骨を骨折(大腿骨骨折)の治療・手術・入院・リハビリ
高齢者の手術後に注意しておくことはありますか?
他にも高齢者に頻度の高い合併症(せん妄、認知症の進行、誤嚥性肺炎など)があります。
せん妄(せんもう)

認知症の進行
認知症は、一度獲得した記憶や認識、判断、学習などの低下により、自己や周囲の状況把握、判断が不正確になり生活上支障をきたす状態をいいます。入院による環境の変化によって、認知症が進行することがあります。また、手術後、ベッド臥床期間が長くなることにより、活動性の低下・覚醒の低下などが起こり、認知症が進行することがあります。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
誤嚥性肺炎とは、肺炎の原因となる細菌が、飲食物や唾液などと一緒に肺に流れ込み発症する肺炎の事です。誤嚥性肺炎は高齢者に多い傾向があります。食べ物をのどに送る舌などの運動機能の低下や、唾液分泌量の低下、嚥下反射やそれに関わる筋の機能低下によって、嚥下障害を起こしやすくなるのです。手術後は、体力も低下しやすく、ベッド上で寝ている時間の増加、覚醒の不良などにより、誤嚥性肺炎が合併しやすいため注意が必要です。