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大阪府理学療法士会生涯学習センター主催 「第2回症例検討会」にて、当院から症例報告を行いました。
2025-9-30【カテゴリー】PTの仕事/チーム医療でできたこと/キャリアアップの秘密/その他

8月28日に開催された大阪府理学療法士会生涯学習センター主催 「第2回症例検討会」にて、
当院から症例報告を行いました。

当日は220名が参加されたそうです。

「免疫チェックポイント阻害薬による心筋障害・間質性肺炎を併発した進行肺がん患者に対する低強度運動介入の一例」と題しての発表でした。

今回は、企画部から発表者の中西主任に質問をさせていただきました。

Q1.今回の症例報告で最も苦労した点を教えて下さい。その課題をどのように乗り越えたか

今回の症例は化学療法の副作用で心臓と肺の両方に障害があり、通常の運動をそのまま行うのはとても難しい状態でした。安全にどの程度の運動ができるかを見極めるために、呼吸や心拍、酸素の状態を細かく確認しながら、運動の強さや内容を工夫しました。医師や看護師と情報を共有し、無理なく続けられる方法を探したことが乗り越えるポイントになりました。

Q2.この症例を通じて得られた最も重要な知見は何ですか?それは今後の治療やリハビリテーションにどう影響しますか?

この症例を通じて得られた最も大きな学びは、「患者さんの状態に合わせて運動の強さを調整することの大切さ」です。

リハビリテーションの領域では、一般的に中等度から高強度の運動が体力の維持や改善に効果的とされています。しかし、がんや心臓・肺に障害がある方では、そのような運動はかえって危険になることもあります。今回の患者さんでは、強い運動は難しかったものの、低い負荷でも安全に運動を続けられる方法を工夫することで、日常生活の動作を改善できたという点が重要でした。

この経験は、「病気の状態や体の状況に応じて、無理のない範囲でもリハビリテーションを行うことが意味を持つ」ことを示しており、今後の治療や支援の考え方に大きく影響すると考えています。

Q3.今回の発表を通じて、他の理学療法士や医師からどのようなフィードバックがありましたか?特に印象に残っていることを教えて下さい。

発表の場では、「どのような運動を行ったのか」という技術的な質問だけでなく、栄養面の工夫やリスク管理の方法、さらにご家族との関わり方や退院後の生活支援に関する質問も多くいただきました。運動療法の話にとどまらず、患者さんやご家族の生活背景や価値観まで含めて多角的に議論できたことがとても印象に残っています。また、当院リハビリテーションの取り組みに対して、他の医療機関の先生方から関心を持っていただけたことも大きな成果でした。これは、患者さんの支援だけでなく、地域や他施設と連携しながら取り組みを広げていく可能性につながると感じました。

Q4.この発表が、当院がある地域にどのようなメリットをもたらしますか?

今回の発表を通じて、当院が「患者さん一人ひとりの状態や価値観に合わせたリハビリテーション」を大切にしていることを地域の方々にも知っていただけると思います。

最近は「強い強度の運動」が注目される一方で、低い運動負荷でも安全に続けられる工夫をすることで、生活の質を高められることを示せた点は、多くの患者さんやご家族に安心感を与えるものと考えています。また、運動だけでなく、栄養・リスク管理・家族支援・退院後の生活設計まで含めて多職種で協力している姿勢を示せたことで、「この病院なら総合的にサポートしてくれる」という信頼につながります。

地域社会にとっては、重い病気を抱えた方でも「自分らしい生活を取り戻す道がある」と感じられることが最大のメリットだと思います。

Q5.今回の発表を通じて、理学療法士としてどのような成長に繋がると思いますか?成長に繋がりましたか?

今回の経験を通じて、理学療法士として「運動の方法を考える」だけでなく、患者さんの病気や体の状態、生活背景や価値観まで含めてリハビリを設計する大切さを改めて学びました。特に、強い運動が難しい患者さんに対しても、低負荷でも安全に継続できる工夫を重ねることで前進できることを実感できたのは、大きな成長でした。さらに、医師・看護師・栄養士など多職種と連携しながら、一緒にリスクを管理し、退院後の生活まで見据えて支援する姿勢が身についたと感じています。

発表後には参加者の方々から

「興味深い内容だった」

「分かりやすかった」 など

温かいご感想を多数いただいたそうです。
発表者の中西主任は「今回の経験を、2026年に開催される大阪府理学療法学術大会へと繋げていきたい。」と語っておられました。

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