第23回大阪病院学会は「病院経営の危機に立ち向かう」をテーマにグランキューブ大阪で開催されました。
当院からは、リハビリテーション部の作業療法士1名が演題発表致しました。

会場には、病院で働く医師・看護師・リハビリスタッフ、そして病院経営に関わる多くの方が集まり、「これからの医療をどう守っていくか」という大きなテーマで熱い議論が行われました。
TKA術後の患者さんに対して、対象者さんが術前より大切にしていた余暇活動に着目して、その活動が早期に実現できるように作業療法士としてかかわったことを口述発表してくれました。治療計画の中で、生活行為向上マネジメント(MTDLP)を用いて、治療介入では、TENSで痛みをコントロールしながら機能改善となじみの活動を取り入れながら関わることで、短期間で機能の回復をもたらせ、さらにご本人が予定したよりも数か月も早く余暇活動に復帰できたという内容でした。活発な質疑応答がありました。

(質疑応答の様子)
大阪府内外の医療情勢について、民間・公立病院、医師会、財務の専門家、厚生労働省という幅広い立場からの講演が並び、特に「急増する高齢者医療への対応」「在宅医療を支える地域連携」「病院経営の持続可能性」が共通のキーワードとして語られました。
中でも印象的だったのは、2040年に向けた人口構造の変化に伴い、急性期医療・高齢者救急・在宅医療の重要性がさらに高まるという指摘です。民間病院が地域の救急医療を大きく担っている現状も示され、地域医療を守るためには病院経営の安定が不可欠であることが改めて共有されました。また診療報酬制度の変遷や、近年続くマイナス改定がもたらす経営逼迫についての議論もあり、「医療の質」「量」「価格」が管理される時代における病院の持続性について深い問題提起がなされました。
サイバニクス技術による医療・介護イノベーションが紹介され、装着型ロボット「HAL」で知られる山海教授による、最先端の医療・介護テクノロジーの話がありました。神経・筋疾患やフレイルの改善、在宅と病院をつなぐデータ連携など、未来のリハビリテーションを見据えた最新の取り組みが示されました。地域医療の課題を科学技術の力でどう補完していくか、リハビリ専門職としても大きな示唆を得る内容でした。
「病院を守ることは地域を守ること」「医療を守るのは人」であり、「チームで患者さんの生活を支える」という私たちの仕事の大切さを再認識しました。
当院のリハビリテーション部でも、こうした最新の知見を活かしながら、患者さんだけでなくご家族、そして地域全体に貢献していけるよう、日々の取り組みを続けていきたいと思います。
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社会医療法人有隣会 東大阪病院
リハビリテーション部
・急性期リハビリテーション課
・回復期リハビリテーション課
文責:リハビリテーション部 部長 椎木
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