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ウェルウォーク WW リハビリ支援ロボット
2022-4-22【カテゴリー】PTの仕事/POSの本音/その他

 今回のテーマは『ウェルウォーク WW リハビリ支援ロボット』と題して、先日パシフィックサプライ株式会社 大東本社にて見学・試乗させていただいたウェルウォークについてです。大阪営業所 佐々木 崇所長に案内いただきました。

川村義肢株式会社ホームページより引用


私が初めてウェルウォークを利用されている患者さんを目にしたのは2022年2月でした。場所は、回復期リハビリテーション病棟協会 第39回研究大会in東京のランチョンセミナーでした。

 長下肢装具を用いた歩行介助を勉強し、それなりの年数、介助歩行を行ってきた私にとって、このウェルウォークが介助している姿は衝撃でした。手があと4本欲しくなり、キン肉マンに出てくる“アシュラマン”になりたい気持ちになりました。


【ウェルウォーク】
Pacific supply株式会社ホームページより引用


<ウェルウォークとは?>
2017年にTOYOTA自動車株式会社が開発、製造されたリハビリテーション支援ロボットです。

~全ての人に移動の自由を~
下肢麻痺等によりご自身での移動が不自由な方にも移動の喜びを届けたい(TOYOTA自動車株式会社ウェルウォークのパンフレットから引用)との想いからつくられたとのこと。脳卒中を発症された初期の段階から自然な歩容で多い量の歩行を提供することができ、運動学習にもとづく支援が可能となることが特徴とされています。

【実際に試乗させていただいて】
見ていた時の印象と実際にロボット脚を装着しての印象はかなり違いました。ロボット脚は手に持つと6kgあり、かなり重かったです。これを装着して歩くのは、筋力が相当必要なのではと思っていました。しかし、実際に歩いてみると、下肢の振り出しアシストのおかげで、ほとんど重さを感じずに歩行することができました。また、下腿の長さをミリ単位で調整することができ、関節軸がずれず、ストレスなく自然な歩行ができました。立脚期の膝関節を支持する強度が10段階で調節でき、膝折れなく、ロックしすぎることなく設定できました。
また、前面に全身が写るモニターがあり、矢状面、前額面上の歩容をリアルタイムで確認できる機能は非常に便利でした。体幹の傾きや、下肢の振り出し位置の即時的な修正が可能でした。


当院スタッフ試乗体験中

佐々木所長から伺ったことを含め、試乗し、私が感じたウェルウォークのデメリット・メリットを以下のようにまとめました。



【ウェルウォークのデメリットと考える点】
 費用面・導入費用が高額である。5年の保守点検費を含めると数千万円することが、導入をためらわせる点であると思います。


【ウェルウォークのメリットと考える点】
 
①安全面
患者さんと療法士との間に体格差があっても、使用することができる。
 現在は、下肢の麻痺症状が重度な患者さんを介助するためには、ある程度の筋力が必要なため、体格に合わせた療法士が担当となるよう配慮しています。この配慮が減らせると思います。
患者さん、療法士ともに体を痛めにくい。 
 機械が患者さんの体重を免荷することに加え、体幹にハーネスをつけ、下肢はロボット脚を装着するため、接触面が広い状態での介助が可能となります。そのため、患者さんも介助される時の痛みがなく、また療法士も患者さんを抱えることがなくなるため、腰などを痛めてしまう危険性が減ると感じました。
転倒の可能性が大幅に減らせる。 
 装具を使った歩行練習では、普通の歩行速度に近い速さで介助をする時に、「転倒させてしまったら、骨折ではすまないな」と怖さを感じていました。転倒防止・体幹支持ハーネスを装着した状態で練習できるため、その恐怖を取り除くことができると感じました。

②精神面
患者さんが気兼ねすることなく十分な量の歩行練習ができる。
これは佐々木所長から話を伺ったときに私自身、「たしかに!」と気づかせていただいたことです。当院では下肢麻痺症状が強い患者さんに対しては長下肢装具を用いて、後方から抱える形で介助歩行を行っています。数10m歩いた後、療法士が汗をかいているのをみた患者さんが、よく「申し訳ない」など気を遣われている姿をみます。歩行練習を行った後、療法士が汗をかいている姿に、介助されている患者さんは、こちらが感じている以上に気を遣われていると感じました。ウェルウォークを使用することができれば、100m以上の歩行練習を患者さんが気兼ねすることなく提供できると思いました。


③適 応
幅広い疾患に適応できる。
パンフレットには『下肢麻痺等によりご自身での移動が不自由な方にも移動の喜びを届けたい』とありますが、“等”の中に免荷中の整形外科疾患患者さんが含まれると思いました。当院に入院されている患者さんの多くが対象となると思いました。

④運動学習
課題の難易度調整が細かく設定できる。
歩行という課題を多くの量を症状初期から提供できるメリットに加え、膝を支持するアシストが10段階、振り出しの強さを6段階、歩行中の膝屈曲角度を10°~60°を1°刻みで設定できる点は、患者さんに運動学習しやすい、適した課題を設定できると思いました。

以上が私の感じたウェルウォークのデメリット、メリットです。
もし、私の大切な人が脳卒中になった場合や免荷が必要な怪我をした時は、ウェルウォークが導入されている病院を探して、入院できないか必死に調べると思いました。かなり高額な機器のため、当院に導入できるかどうかはまだわかりませんが、協力して下さる方、仲間が多くいますので、一つひとつ丁寧に動いていきたいと思います。

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新病院完成予想図

 来年の秋にOPEN予定です。それに伴い、新卒・既卒の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を募集しています。お気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただいてありがとうございました。



 文責:回復期リハビリテーション課:福田(理学療法士)

 ※無断転載禁止

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