TOP > スタッフブログ > 作業療法に見える化は効果的です

作業療法に見える化は効果的です
【2021-09-25】カテゴリー:OTの仕事、リハビリ部 部長より

作業療法に見える化は効果的 というお話です。

 関連情報:作業療法士とは? 日本作業療法士協会より




「見える化」とは?
どんな方にもわかりやすく、物事(見えないこと)を目で見えるようにする(可視化する)ことを言います。



例えば、仕事の手順などを、文書やフローチャートにするのが見える化にあたります。




実は… 私たちの治療、作業療法の中でも「見える化」をよく使っています。


例えば「痛み」



痛みは見えません。

炎症などがあると、患部が腫れたり赤くなったりするため、目で見てわかることもありますが、「痛み」「痛い感覚」は見ることができないため分かりません。



では、臨床※1 の場面ではどうしているか? 
※1臨床とは?:医療現場で実際に患者に接し、診察や治療を行う現場または学問


ご本人に数字で表現してもらうということをしています。

例えばNRS※2 というスケールで 痛みの程度は5/10などと表現してもらいます。
※2 NRS(Numerical Rating Scale)とは?:「痛みなし」を最小のゼロ。「考えられる中で最悪の痛み」を最大10とし、0(ゼロ)から10までの11段階で痛みの程度を患者さん自身が示します。



痛みを数字で表現すると、量として把握することができます。 






また、生活の中の「活動量」


わかっているようで、意外と正確ではなかったりするのでは?と思います。家事なども含めてご自分で行っていた方が入院することになった場合、入院して、徐々にトイレに行けるようになったり、病棟内を歩けるようになったりしても、実はまだ生活に戻るには十分な活動量が確保できていない場合もあります。
 
例えば、私は仕事のある日は1日1万3千歩ほど歩きます。
けれど、お休みの日で家事も外出もほとんどせず、ゆっくり過ごした日は1000歩未満。
かろうじて犬の散歩をして数千歩といったところです。


入院生活では、活動の範囲も限られているため

リハビリを1日数回行ったとしても、リハビリ療法士とリハビリを行っている以外の時間はベッドで休んでいたとすると、それほど活動量が確保できていない場合があります。




患者さんの自宅での普段の生活と入院生活の活動量の差を把握して、その差を少しでも少なくするために
例えば、患者さんが自宅に帰られた場合に動くであろう距離(歩数に換算)と、現状の運動量(歩数)とを比較してみると、患者さんが自宅で生活するために最低限必要な運動量との差が分かります。


この情報を、患者さんとリハビリ療法士間で共有することで、退院までの限られた期間中、リハビリ療法士とリハビリを行っている以外の時間をどのように過ごせば良いのかが分かります(ベッドで休んでばかりではダメだということが分かってきます)。


すると、患者さんは、作業療法士や理学療法士・言語聴覚士に言われたから自主トレに取り組むのではなく、患者さん自身が「リハビリ療法士とリハビリを行っている以外の時間は、自主的にリハビリに取り組み、活動量の不足分を補った方が良いな」と認識され、自ら進んで自主トレに取り組まれるようになります。結果、とても充実した入院生活へとつながります。





人の気持ちや行動を変えることは簡単ではないですが、見えないモノを「見える化」し、情報や状況を共有することができれば、何か変化を生み出すことができるかもしれません。
人の気持ちや行動を変えるきっかけにつながるかもしれません。




作業療法に見える化は効果的です!





当院で取り組んでいるADOC※3 やCOPM※4 、MTDLP※5 も見える化のツールです。 
このような方法も取り入れながら、より効果的な介入を目指していきたいと思います。




最後までお読みいただきありがとうございました。 

※3 ADOC(Aid for Decision-making in Occupation Choice; エードックと呼びます)とは?:作業療法で目標とする作業を決める面接の際、患者さんと作業療法士とのコミュニケーションを促進するためのiPadアプリです。 ADOCの目的は患者さんと作業療法士の協業を促すことです。

※4 COPM(Canadian Occupational Performance Measure;シーオーピーエム;カナダ作業遂行測定;脳性麻痺リハビリテーション)とは?:作業遂行の主観的経験を測定するための評価法。
「元気になった」「笑顔が増えた」という作業療法の成果は測定しにくい。 これを測ろうと開発されたのが、カナダ作業遂行測定です。


※5 MTDLP(Management Tool for Daily Life Performance)とは?:生活行為向上マネジメントは作業療法士の一つの臨床思考過程を説明したものであり、患者本人にとって、「やりたい」と思っている生活行為に焦点を当てたマネジメントツールです。









<文責>
東大阪病院リハビリテーション部部長 作業療法士:椎木
企画部アベ
*無断転載禁止

ページTOPへ