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スプリント作成の勉強会を開催しました
2024-7-13【カテゴリー】OTの仕事/POSの本音/その他

こんにちは、ブログチームの作業療法士Kです。この度は、スプリントについて書きたいと思います。

近年、高齢化社会の進展や運動不足による筋力低下などにより、リハビリテーションの重要性が高まっています。リハビリテーションにおいて、患者の機能回復や運動能力向上を支える重要な役割を担うのが「スプリント」と呼ばれる装具です。

今回は、リハビリテーションにおけるスプリントについて、その種類、作用機序、具体的な適応疾患、作成方法、注意点などを詳細に解説します。医療従事者やリハビリテーションに関心を持つ方々にとって、スプリントの理解を深め、効果的な活用に役立つ情報となることを目指します。

1. スプリントとは:種類と作用機序

スプリントは関節や腱を固定・支持し、適切な姿勢を保持するために用いられる装具です。素材としては、低温で柔軟性があり、温めると形状記憶性を持つ熱可塑性プラスチックが一般的です。

種類としては、大きく以下の3つに分類されます。

静的スプリント:関節の動きを制限し、固定することで安静を保つ。骨折、脱臼、捻挫などの急性期に多く用いられます。

動的スプリント:関節の動きを制限しながら、可動域を広げる運動を促す。関節拘縮や筋力低下などの慢性期に多く用いられます。

機能訓練スプリント:日常生活動作に必要な動きを補助し、筋力強化や協調性向上を促す。脳卒中や脊髄損傷などの神経疾患のリハビリテーションに用いられます。

作用機序としては、以下の3つの要素が挙げられます。

  1. 固定・支持:関節や腱を固定することで、痛みや炎症を軽減し、治癒を促進する。
  2. 姿勢保持:適切な姿勢を保持することで、関節にかかる負担を軽減し、日常生活動作の改善を促す。
  3. 運動制限・可動域拡大:関節の動きを制限することで、過剰な負担を防ぎ、可動域を広げる運動を促す。

2. 具体的な適応疾患

スプリントは、以下のような幅広い疾患のリハビリテーションに適応されます。

  • 骨折
  • 脱臼
  • 捻挫
  • 腱断裂
  • 関節炎
  • マレットフィンガー
  • ばね指
  • 腱鞘炎
  • 脳卒中
  • 脊髄損傷
  • 神経麻痺

3. スプリントの作成方法

スプリント作成は、主に作業療法士によって行われます。患者さんの状態に合わせて、適切な素材、形状、サイズのスプリントを設計し、以下のような手順で作製されます。

  1. 評価:患者さんの症状、関節可動域、筋力、日常生活動作などを評価する。
  2. 設計:患者さんの状態に合わせて、スプリントの形状、サイズ、素材などを設計する。
  3. 作製:熱可塑性プラスチックを温め、柔らかくしてから、患者の手足に直接装着し、形状を成形する。
  4. 調整:患者さんの状態に合わせて、スプリントの調整を行う。

4. スプリント使用時の注意点

スプリントを使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 皮膚の状態:スプリントの下には、必ず保護剤を着用する。
  • 清潔保持:スプリントは定期的に洗浄し、清潔に保つ。
  • 適切な装着:スプリントは適切な方法で装着し、定期的に調整を行う。
  • 痛みや違和感:スプリント装着時に痛みや違和感がある場合は、使用を中止し、作業療法士に相談する。

5. スプリント作成の勉強会

スプリントは学校で習ったきりで、現場で実際に作成したことがない作業療法士が多い印象です。私も実際に作成したのは1度だけです…。当院でも作成できる療法士が限られています。

そんな中、若手スタッフから「スプリントの勉強会ってできますか?」という希望があり、実際に勉強会を実施することとなりました。

<何を作ろう?>

まずは何から始めたらいいかということで、みんなで意見を出し合いました。
その中で、「脳血管疾患の後遺症による運動麻痺で手指の伸展が行いにくい患者さんが多いよね」という意見があがりました。そこで手指伸展の補助が行えるものを作成することとなりました。

今回は手指の伸展の補助を行えるスプリント「スパイダースプリント」の作成を行いました。
みんなで試行錯誤しながらの作業で、なんとか1つを作成することができました。

参加した療法士の感想としては、

「準備や採寸、加工に思ったより時間がかかった」
「ピアノ線を曲げる角度の調節が難しかった」
「道具の使用に慣れていないため難しかった」等の意見がありました。

まだまだ練習が必要ですが、今後も定期的に勉強会を行い、レベルアップを図っていきます。

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社会医療法人有隣会 東大阪病院

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