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作業療法士(OT)の上肢治療への取り組み
2022-7-9【カテゴリー】OTの仕事/リハ管理職の○○

今回は作業療法士(OT)で取り組んでいる上肢治療の取り組み(作業療法士(OT)の上肢治療への取り組み)についてご紹介させていただきます。

当院回復期リハビリテーション病棟の入院患者さんは、脳血管疾患30~40%、整形疾患60~70%の割合となっています。


入院患者さんは脳卒中後遺症で上肢に運動麻痺を呈された方もおられ、そのような症状の方に作業療法士(OT)が関わらせていだたく事が多いです。



以前より上肢の運動麻痺へのリハビリは行っていましたが、治療の質を向上させるため、今年度は“上肢治療チーム”を結成しました。


このチームは推奨(エビデンス)レベルの高い上肢治療を導入し、臨床で使っていくための知識、技術を向上していくため結成しました。
メンバーは有志での参加で、『今の自分よりレベルアップしたい!』という方が集まってくれました。
経験年数は2年目~14年目まで幅広く集まってくれています。

推奨(エビデンス)レベルの高い上肢治療法は幾つかあります。
その中で


 神経筋電気刺激(エビデンスレベル中)


 ミラーセラピー(エビデンスレベル中)


 CI療法(エビデンスレベル高)



以上の3つを調べる事とし、はじめに取り組む治療を神経筋電気刺激(IVES)としました。※推奨グレードは脳卒中ガイドライン2021より引用

数年前より当院ではIVESを導入し、日々臨床で使用しています。今回の上肢治療チームの目標としては「使っている」というレベルから「使いこなす」というレベルを目指しました。

写真①IVES

進行方法としては月に1度チームで集まり、各自で調べてきた内容を報告しています。

はじめのテーマとして、まずはIVESの治療機器を理解する所から開始しました。


私がIVES使用時に感じていた課題として、

 ①筋肉に合わせた周波数の設定

 ②筋肉に合わせた電極の貼り方

それらを理解する必要があると感じていました。

今回、チームで調べた内容の一部をご紹介させていただきます。

図① 周波数の設定

図② 電極に関して

IVES機器の理解を深めた後、実技練習を開始しました。
ここで課題となったのが経験年数の幅が大きい点です。
IVESを施術するには、筋肉の視診、触診技術が必要ですが、この技術は経験年数により能力差が大きくなってしまいます。そのため実技練習当日までに各自が筋肉の解剖を再度勉強してくることとしました。

実技当日は解剖の本で筋肉の特徴を確認しながら、先輩作業療法士(OT)がポイントを伝えます。

今回調べて学んだ事も活かしながら肩甲帯周囲筋(特に三角筋、棘上筋)の練習を行いました。三角筋は浅層に位置しているので、周波数は低めに設定し(35Hz程度)、電極の距離は近めに設定しました。棘上筋はやや深層にあるため周波数を高め(45Hz程度)に設定し、電極の距離は三角筋より少しだけ離して実施しました。どちらの筋も周波数、電極の貼る位置をうまく調整できていないと筋肉の収縮反応が異なっていました。改めて筋肉の特徴を理解したうえで、実施しないといけないと感じました。

写真② IVESの実技練習場面

本日は現在当院で取り組んでいる作業療法士(OT)の取り組みを御紹介させていただきました。今回の取り組みで今まで使っていたIVESの理解を深める事ができました。日々当たり前のように行っている治療も、丁寧に調べ直す事で新しい知識が得られ、より質の高いリハビリが提供できると感じました。今後も推奨レベルの高い治療方法を学習し、一人でも多くの患者さんの力になれるようにしたいと思います。このブログを読んで、当院回リハへ興味をもたれた方、最後までお読み頂きありがとうございました。

※無断転載禁止

※文責:作業療法士K

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