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言語聴覚士(ST)の栄養サポートチーム(NST)委員会活動について
2023-8-7【カテゴリー】STの仕事/チーム医療でできたこと/キャリアアップの秘密

 今回は2023年度から構成が新しくなった栄養サポートチーム(NST)委員会の活動について報告します。

 2023年度より回復期リハビリテーション課及びリハビリテーション部から理学療法士(PT)と言語聴覚士(ST)の2名が栄養サポートチーム(NST)委員会に参加することになりました。

※以前のNSTのブログも参照いただけると嬉しいです。
 『言語聴覚士(ST)がNST(栄養サポートチーム)に参加して

 当院では循環器内科の医師が栄養サポートチーム(NST)委員長を務めており、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、病棟看護師と協力しながら、患者さんの栄養サポートを行っています。
 活動内容は月1回の委員会、週1回の栄養サポートチーム(NST)回診です。入院の段階で管理栄養士が栄養スクリーニングを行い、早期に高度栄養障害の患者さんに対して、栄養サポートチーム(NST)回診での多職種によるサポートを行っています。入院後2~3日以内に栄養スクリーニングを行っており、栄養課による栄養管理体制が非常に整っています。
また循環器内科の医師が栄養サポートチーム(NST)回診を実施しているということもあり、循環器病態と低栄養病態を見極めながら、多岐に渡る病状に応じた栄養サポートを行えています。

そして、早期栄養確保においての、言語聴覚士(ST)の役割は非常に重要です。

 1日でも早い経口摂取の再開に向け、入院早期の段階で食事開始の可否を判断する嚥下評価が非常に大切な役割を担っています。また経口摂取が困難と判断した場合においても、侵襲状態から脱した際、直ちに経口摂取を開始できるよう口腔嚥下機能を維持することも大切です。言語聴覚士(ST)が継続して嚥下評価や機能リハの介入を行い、できる限り経口での栄養確保をサポートできればと日々リハビリテーションを行っています。

 これまでは回復期リハビリテーション病棟担当の理学療法士(PT)が率先して栄養サポートチーム(NST)委員会活動を行ってきました。2023年度からは言語聴覚士(ST)も栄養サポートチーム(NST)委員会に参加し、栄養サポートチーム(NST)回診に参加する言語聴覚士(ST)の人員も増員しています。理学療法士(PT)と言語聴覚士(ST)で協力し、リハビリテーションという立場から、たくさんの情報を栄養サポートチーム(NST)委員会で発信し、患者さんの早期回復、早期退院に尽力できればと活動しています。

 昨今の栄養サポートにおいて「リハ栄養」という観点からも「栄養管理」と「運動療法」の組み合わせが重要と言われています

 現在たくさんのリハビリスタッフに栄養サポートチーム(NST)活動やリハ栄養に関心を持ってもらえるような取り組みを始めています。

写真①>
病院提供の食種や捕食、補液の早見表をポケットサイズにしていつでも確認できるようにしました。

<写真②>
消費カロリーを各リハビリスタッフでも計算できるようMETsの表を掲示しています。

🎵ここでリハビリテーション豆知識🎵
リハビリテーション栄養診療ガイドラインがあるのをご存じですか?

★急性疾患患者におけるリハビリテーション栄養診療ガイドライン
 「リハビリテーションを実施されている急性疾患患者に対して強化型栄養療法を行うことを弱く推奨する。ただし、自主的リハビリテーションに加え強化型リハビリテーションプログラムの併用が望ましい。
 急性疾患は発症から短期間で急激に症状が生じるあらゆる疾患を指す。一般的に重症で種々の機能障害を伴い、急性疾患においては栄養状態の悪化を伴う骨格筋の減少が広く認められ、このことは臨床予後に大きく栄養すると報告されている。急性疾患では、生体防御反応として異化を亢進する種々のホルモン(コルチゾール、グルカゴン、カテコラミン等)や炎症性サイトカインが増加し、インスリン抵抗性も上昇する。その結果骨格筋を中心に体蛋白質分解が亢進し、低栄養が進行する。急性疾患患者に低栄養が存在する割合は38~78%で、低栄養は集中治療病棟(ICU)在院日数、ICU再入室、感染症発症率、院内死亡率の独立した予測因子とされる。そのため、経口摂取不可などにより栄養リスクが高い患者様に対してはICU入室早期の栄養スクリーニング、24~48時間以内での経管栄養、あるいは静脈栄養を開始することが推奨されている。」

★大腿骨近位部骨折患者におけるリハビリテーション栄養診療ガイドライン
 「リハビリテーションを実施している65歳以上の大腿骨近位部骨折の患者さんにおいて、死亡率及び合併症発症率の低下や日常生活動作(ADL)および筋力の改善を目的として、術後早期からのリハビリテーションと併用して強化型栄養療法を行うことを弱く推奨する。
 なお、強化型栄養療法の介入方法として、高エネルギー高蛋白質栄養剤の追加による補助栄養療法や、管理栄養士によるカウンセリングや栄養サポートを考慮する」


リハビリテーション栄養診療ガイドライン2018年版
                                  URL:詳しくは コチラ

 これらの情報が誰かの役に立てれば幸いです。

 今後も回復期リハビリテーション課及びリハビリテーション部での栄養サポートチーム(NST)活動の報告を行っていければと思っています。               

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社会医療法人有隣会 東大阪病院

リハビリテーション部
・ 急性期リハビリテーション課
・緩和ケアリハビリテーション課
・回復期リハビリテーション課
 文責:言語聴覚士 ※無断転載禁止

〒536-0005 大阪市城東区中央1丁目7-12
TEL : 06-6939-1125
FAX : 06-6939-7474
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