当院では、リハビリテーション治療の中で、超音波療法、電気刺激療法(IVES)、低周波治療器(ESPURGE・エスパージ)などの物理療法を活用して治療を行っています。今日はその中でも、低周波治療器(ESPURGE・エスパージ)についてお伝えします。
低周波治療器(ESPURGE・エスパージ)は、疼痛緩和、筋肉の弛緩、血流促進、神経機能の改善、筋力の増強など、様々なリハビリテーションの目的に対して有効であるとされています。
当院で使っているESPURGE(エスパージ)は他の低周波治療器と比較して、次のような有利な点があります。
1. 3つのモード&シーケンシャル機能
ESPURGE(エスパージ)はTENS(痛みの鎮静)・EMS(筋肉への刺激)、MCR(損傷部位の治癒促進)の3つの電気刺激モードと、各モードを組み合わせて治療ができるシーケンシャル機能というものを搭載しています。目的に合わせた多彩な設定ができ、治療の幅が広く、異なる治療ニーズに対応することができます。
2. ポータビリティと使用の簡便さ
ESPURGE(エスパージ)はコンパクトでポータブルな設計であり、移動や持ち運びが容易です。ポケットに入れて持ち歩けるようなサイズです。また、操作が比較的簡単であり、リハビリテーションの現場での使用がしやすいです。これにより、患者さんの治療の効率性が向上し、スムーズな治療プロセスが実現します。実際には、使用しながら運動や移動が可能なので、様々な運動療法を行う等が出来ます。
3. プログラムの柔軟性とカスタマイズ性
ESPURGE(エスパージ)は、2CH完全独立出力により、症状に応じた治療が可能です。治療プログラムを患者さんの個々のニーズや状態に合わせて柔軟にカスタマイズすることができます。治療強度や時間、周波数などのパラメーターを調整することで、患者さんに最適な治療プランを提供することができます。より効果的な治療結果を得ることが可能で、この設定・調整が療法士の技術の一つともいえると思います。
(参考:伊藤超音波HP)
小さくコンパクトで持ち運びが簡単なので、リハビリ訓練室に来られない入院初期の患者さんでも、痛みをコントロールしながら機能改善や生活動作改善を進めていく工夫を行っています。
急性期病棟での使用例としては、圧迫骨折の患者さんやがん性疼痛の患者さんへの活用があります。痛みを緩和して早期離床ができたり、薬を使わずに苦痛を回避できるのが良いです。
近年、腰痛に対しては、腰椎サポート(コルセット)とともに経皮的電気刺激 (TENS)の有用性が示されており ( 腰痛診療ガイドライン 2019) 、脊椎圧迫骨折後の症例においてTENSは疼痛と運動パフォーマンスの即時的改善についての研究なども見られるようになってきています。
また、がん性疼痛についても取り組んでいます。
がん性疼痛はがん患者の約70%が経験する症状であり、適切な鎮痛剤の使用によりその約80%はコントロールできるとされていますが、オピオイドなどの薬物療法では、嘔気・嘔吐、眠気、便秘、呼吸抑制などの副作用により、日常生活やQOLに影響を及ぼす一面もあります。 TENSは非侵襲的で安全な鎮痛手段であり、がん性疼痛に対する鎮痛効果についても報告されており、当院でも痛みのある患者さんにリハビリ時に併用することで効果を出しています(井上順一郎、2017)。
訓練室まで来ることが出来なくても、ベッドサイドで治療をさせていただけるのがとてもいいなと思います。
予約表を使って運用しているのですが、常に使用しているような状態で、今まで1台だったところを増台し現在運用しています。
今後、使用の効果などもお伝えできればと思います。
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社会医療法人有隣会 東大阪病院
リハビリテーション部
・急性期リハビリテーション課
・緩和ケアリハビリテーション課
・回復期リハビリテーション課
文責:リハビリテーション部門 部長 椎木
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TOYOTAが開発した最先端のロボット機器 ウェルウォーク(WW-2000)を導入しました。
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