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胃潰瘍・十二指腸潰瘍 公開日:2026-02-27 / 更新日:2026-03-10

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状と原因:知っておきたい治療法と日常生活での注意点

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状(みぞおちの痛み・吐血・タール便)、原因(ピロリ菌・NSAIDs)、最新治療法を消化器病学会ガイドラインに基づき徹底解説。

食事療法のポイントや完治までの期間、胃がんリスクについても網羅。

みぞおちがキリキリと痛む、空腹時に胃の不快感がある、といった症状に悩んでいませんか? 「胃潰瘍(いかいよう)」や「十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)」は、かつてはストレスが主な原因と考えられていましたが、現在は原因の約9割が「ピロリ菌」または「痛み止め(NSAIDs)」によるものであることが分かっています。 これらは総称して「消化性潰瘍(しょうかせいかいよう)」と呼ばれ、適切な治療を行えば完治を目指せる病気です。しかし、放置すると出血や胃に穴が開く危険性もあります。 本記事では、日本消化器病学会のガイドラインに基づき、症状のセルフチェック、原因、最新の治療法について、専門的な知識を分かりやすく解説します。

消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)とは?定義とメカニズム

消化性潰瘍(PUD)とは、胃や十二指腸の壁が深く傷ついてしまった状態を指します。 私たちの胃は、食べたものを消化するために強力な「胃酸」や「ペプシン」という消化酵素を分泌しています。通常、胃の壁は粘膜によって守られていますが、何らかの原因で攻撃因子(胃酸など)と防御因子(粘膜)のバランスが崩れると、自分の胃壁が消化されてしまい、組織が欠損します。これが潰瘍です。

一般的に、粘膜の表面がただれた状態を「びらん」と呼び、さらに深く、粘膜筋板を超えて組織がえぐれた状態を「潰瘍」と定義します。
・胃潰瘍(GU): 40~60代の方に多く見られます。
・十二指腸潰瘍(DU): 20~40代の比較的若い世代に多く見られます。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の主な症状チェックリスト

胃や十二指腸の潰瘍は、進行度によって症状が異なります。以下のようなサインがないか確認してみましょう。

初期~進行期に見られる典型的な症状

みぞおちの痛み(心窩部痛):

「キリキリする」「えぐられるような」と表現される痛みです。

食事との関係:

  ・胃潰瘍の場合:食後に痛むことが多いとされています。

  ・十二指腸潰瘍の場合:空腹時や夜間に痛むことが多く、食事をすると痛みが和らぐ傾向があります。

背中の痛み:

胃の裏側にあたる背中に痛みが突き抜けるように感じることがあります。

胸やけ・吐き気:

胃酸過多や胃の動きが悪くなることで起こります。

【要注意】直ちに受診が必要な危険なサイン ・タール便(黒色便):

海苔の佃煮のように真っ黒でドロっとした便が出た場合、胃や十二指腸で出血している可能性があります。

吐血: 茶褐色や鮮血を吐いた場合は緊急事態です。

激痛: 突然、腹部に激しい痛みが走った場合、潰瘍が壁を貫通(穿孔)している恐れが
あります。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因とリスク要因

かつては「ストレス」が最大の原因とされていましたが、医学の進歩により、現在は以下の2つが主要な原因であることが明らかになっています。

1.ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染

胃の粘膜に生息する細菌です。長期間感染することで慢性的な炎症を引き起こし、粘膜の防御機能を弱めます。日本人の消化性潰瘍の最大の原因です。

2.NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の服用

腰痛や頭痛、関節痛などの治療で処方される鎮痛剤や、市販の解熱鎮痛薬の多くが含まれます。これらの薬には、胃の粘膜を保護する成分(プロスタグランジン)の生成を抑えてしまう副作用があります。特に高齢者で常用している方は注意が必要です。

その他のリスク要因

・ストレス(肉体的・精神的ストレスは血流を悪くし、症状を悪化させる誘因になります)

・喫煙 ・過度なアルコール摂取

消化性潰瘍の主要原因内訳(日本) 出典:日本消化器病学会 消化性潰瘍診療ガイドライン2020

検査と診断基準:何科を受診すべきか

みぞおちの痛みや黒い便などの症状がある場合は、「消化器内科」を受診してください。

診断のための主な検査

1.上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

口や鼻からカメラを挿入し、胃や十二指腸の粘膜を直接観察します。潰瘍の位置、大きさ、深さを確認でき、最も確実な診断方法です。また、胃がんとの鑑別が必要な場合、組織の一部を採取(生検)することもあります。

2.ピロリ菌検査

潰瘍の原因がピロリ菌にあるかどうかを調べます。内視鏡を使う方法や、吐いた息を調べる「尿素呼気試験」、尿や便や血液を調べる方法などがあります。

診断の基準

日本消化器病学会のガイドラインに基づき、内視鏡検査で粘膜の欠損が確認され、その深さが粘膜筋板を超えている場合に「消化性潰瘍」と診断されます。

治療法:薬物療法とその他の選択肢

消化性潰瘍の治療は、原因を取り除き、胃酸の分泌を抑えて粘膜の修復を促すことが基本です。

薬物療法

現在の標準治療は薬の服用が中心です。

・胃酸分泌抑制薬:

プロトンポンプ阻害薬(PPI)や、カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(ボノプラザン)などが第一選択薬として処方されます。これらは強力に胃酸を抑え、潰瘍の治癒を早めます。

・防御因子増強薬:
胃の粘膜を保護・修復する薬です。

・ピロリ菌除菌療法:

ピロリ菌陽性の場合は、除菌治療が強く推奨されます。抗菌薬2種類と胃酸分泌抑制薬を1週間服用します。除菌に成功すると、潰瘍の再発率が劇的に低下します。

手術・その他の治療

薬物療法が進歩したため、手術(外科治療)が行われることは少なくなりました。しかし、以下のような緊急時には内視鏡的治療や手術が必要になることがあります。

・出血がある場合:

内視鏡を使ってクリップや電気凝固で止血します。

・穿孔(穴が開く)や狭窄がある場合:

外科手術が必要になることがあります。

ピロリ菌除菌の有無による十二指腸潰瘍再発率(1年後) 出典:Cochrane Database of Systematic Reviews (Ford AC et al, 2016)

日常生活での注意点と予防・セルフケア

治療中や治癒後の再発予防のために、以下の点に注意しましょう。

食事について

・刺激物を避ける:

唐辛子などの香辛料、熱すぎるもの、冷たすぎるものは控えましょう。

・消化の良いものを:

胃に負担をかけないよう、うどん、お粥、白身魚、豆腐などが推奨されます。

・規則正しい食生活:

暴飲暴食を避け、よく噛んで食べましょう。

生活習慣の改善

・禁煙:

タバコは胃の血流を悪くし、再発のリスクを高めます。

・鎮痛剤の相談:

頭痛や腰痛で鎮痛剤(NSAIDs)が手放せない方は、医師に相談し、胃に負担の少ない薬への変更や胃薬の併用を検討してください。

・ストレス管理:

十分な睡眠をとり、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 胃潰瘍は完治しますか?また、どのくらいの期間で治りますか?

A1. 適切な薬物治療を行えば、多くの場合2~3ヶ月程度で潰瘍自体は治癒(瘢痕化)します。しかし、原因(ピロリ菌やNSAIDs)への対策を行わないと再発しやすいため、医師の指示通りに服薬を続けることが「完治」への近道です。

Q2. 仕事が忙しいのですが、入院せずに通院で治せますか?

A2. 出血が激しい場合や食事摂取が困難な場合を除き、基本的には通院と薬の服用で治療が可能です。ただし、安静が必要な時期もありますので、主治医と相談しながら無理のない範囲で勤務してください。

Q3. 市販の胃薬で治すことはできますか?

A3. 市販薬(H2ブロッカーなど)で一時的に痛みが和らぐことはありますが、根本的な治療にはなりません。特にピロリ菌感染や進行した潰瘍の場合、市販薬のみでは不十分であり、悪化させてしまう恐れがあります。自己判断せず、医療機関を受診してください。

Q4. 胃潰瘍と胃がんは関係ありますか?

A4. 胃潰瘍そのものが胃がんになるわけではありませんが、胃潰瘍の原因である「ピロリ菌」は胃がんの最大のリスク因子です。また、胃がんの症状が胃潰瘍と似ている(痛みや出血)こともあるため、胃カメラ検査で良性の潰瘍か悪性(がん)かを見極めることが非常に重要です。

まとめと次のステップ

胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、適切な診断と治療を行えば、痛みをコントロールし再発を防ぐことができる病気です。

・原因の特定:

自分の潰瘍の原因がピロリ菌か、薬(NSAIDs)かを知ることが治療の第一歩です。

・早期受診:

みぞおちの痛みや黒い便が出たら、我慢せずに消化器内科を受診してください。

・治療の継続:

症状が消えても、自己判断で薬を止めず、医師の指示に従って完治を目指しましょう。

「ただの胃痛」と放置せず、専門医に相談することで、不安のない快適な生活を取り戻しましょう。

免責事項:
本記事は疾患に関する一般的な情報提供を目的としています。記載内容には万全を期しておりますが、その正確性・最新性を保証するものではありません。本記事の情報は医学的アドバイスの提供ではなく、実際の診療行為に代わるものでもありません。症状や体調に不安がある方は、必ず専門の医療機関でご相談ください。

文責:東大阪病院 副院長 前島 健志
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