当院リハビリテーション部は、日々の書類業務の不備やムダな動きを減らすことを目的に、現場起点の業務改善を進めています。理学療法士(PT)ミーティング、作業療法士(OT)ミーティング、言語聴覚士(ST)ミーティングで議論を重ねた結果、「新しいルールを増やす前に、スタッフルームという“場”を整えよう」という方針で合意。まずは環境の最適化から着手しました。
現場観察とヒアリングから、以下の課題が繰り返し確認されました。
・物が増加して必要な様式や備品を探す時間が発生
・導線が狭いため、すれ違い・行き違いによる中断が頻発
・作業スペースが不足し、立ち作業と座り作業が混在して中断が増える
これらは書類作成の不備や探す時間のロスを誘発し、結果的に全体の流れを滞らせていました。
ミーティングから出た提案は、“ルールを増やす”ではなく“環境を整える”というもの。
これを軸に、書類業務の動線を短く・まっすぐにするためのレイアウト最適化に着手しました
改善は以下の8ステップで実行。現在は⑦(レイアウト変更の実施)まで完了しています。
①リハ部合同会議で提案し承認を得る
②急性期・回復期の各ミーティングで周知
③賛同・協力スタッフの募集
④話し合い(レイアウト案作成)
⑤各ミーティングで案を提示
⑥実施可否を問うアンケート
⑦レイアウト変更を実施
⑧実施後アンケートで評価(実施予定)
この段階設計により、急ぎすぎて現場が混乱するのを避けながら、現場の合意形成と巻き込みを同時に進めています。
Before(課題の状態)
・書類・備品の散在で「探す時間」が積み重なる
・狭い導線で人・物が交差し、声かけや回り道が増える
・立ち作業と座り作業の混在で“途中中断”が常態化
After(実装した施策)
・書類関連の“集約ゾーン化”:書類定位置化し、ワンストップで出し入れできる棚を整備
・メイン導線の拡幅:立ち止まりを最小に
・作業の分離:立ち作業の仮置き台と集中して座る席を分け、中断を起こしにくい配置に変更
この3本柱(まとめる/広げる/分ける)が、“探さない”“交差しない”“途中で止まらない”を実現するポイントです。
レイアウト変更(⑦)まで完了したことで、書類関連の探索時間が減少、通路での立ち止まりが減少、作業の腰折れが減少といった定性的な変化が生まれています。
次段階では実施後アンケート(⑧)でスタッフの体感と改善余地を可視化し、定量指標で検証します。「効率よく業務ができる状態」を維持・拡張するため、改善の継続運用に努めていきます。
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社会医療法人有隣会 東大阪病院
リハビリテーション部
・急性期リハビリテーション課
・回復期リハビリテーション課
文責:リハビリテーション部門 主任:近江
企画部:安部
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