退院後の生活を見据えたリハビリでは、「実際の生活の中でできるか」という視点がとても重要です。今回、洗濯動作の練習環境をより良い環境に整えたことをお伝えします。
高齢でもお一人で暮らしておられる方は多いです。自宅での生活は、トイレや排泄だけでなく、掃除や洗濯といったことも必要で、介護保険の状況からご自身で行わないといけない場合があったり、ヘルパーさんは来てくれるけど自分でもやりたいというケースがあります。
その練習をしていく中で、洗濯に関係する環境をもっと整えたいという意見が出てきました。
実は、リハビリ室には洗濯機があるので、洗濯機の操作や洗濯物を洗濯機の中に入れたり取り出したり、できた洗濯物を運搬する動作については問題なく行えていたものの、「洗濯物を干す」という動作については、満足いく環境ができていなかったのです。
洗濯ものを「干す」という動作ですが、実際には環境によって求められる身体機能は大きく異なります。
例えば、腰の高さにある物干し台で干す場合と、屋外の物干し竿に向かって上肢を挙上して干す場合では、必要となるバランス能力や体幹の安定性、上肢の可動域が変わってきます。
特に腕を上げた状態での作業は重心が不安定になりやすく、転倒のリスクにもつながります。
患者さんのご自宅の環境は様々で、物干し台の高さもバラバラです。
また、洗濯バサミ付ハンガーも指の力が弱い方向けの特別なものは準備していたのですが、一般的に市販されているモノは準備できていませんでした。

(AIで作成)
実生活で起こり得る動作の違いに対応するためには、より具体的な環境設定が必要です。
そこで、実際の生活場面に近い形で洗濯物を干す練習ができるよう、必要な物品を検討・探索し、導入しました。
収納するのに場所は取りたくないですが、患者さん毎に合わせた高さの設定はしたいし、物干し竿の幅は確保したい。
もろもろの希望をクリアした物干しをOTメンバーが見つけてくれました。
そして、個々の患者さんに合わせた具体的な練習が可能となりました。

*今回購入した移動式の物干し竿
*高さや幅も調整でき、自宅の環境を再現しやすいです
実際に動作を行う中で、予想よりもできる場合もありますし、できない場合でも「どのような条件であればできるのか」「どの場面で難しさが出るのか」を丁寧に捉えることで、退院後の安心した生活につながります。
今後も、実際の生活を見据えた環境づくりと動作練習を大切にしながら、一人ひとりの「その人らしい暮らし」を支えていきたいと考えています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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