救急外来における「患者誤認ゼロ」へ~ネームバンド導入による安全管理の再構築~2026-3-26【カテゴリー】部署紹介/質向上への取り組み/中途教育/研修について
こんにちは
東大阪病院 看護部 外来看護師のOです。
私は看護部 医療安全委員会としても活動しています。
医療安全において、もっとも基本的でありながら、もっとも重大な事故に直結するのが患者誤認です。今回は、私たちの病院の救急外来で新たに開始した「ネームバンド活用」による誤認防止対策についてご紹介します。

■なぜ、今「救急外来」の対策が必要なのか
救急外来は、複数の救急搬入が重なる「マルチタスク」が日常的に発生する場所です。これまでは、ベッド番号による管理や、口頭での氏名・生年月日確認を行ってきました。しかし、現場を改めて見直すと、以下のようなリスクが潜んでいることに気づきました。
- 環境の混乱: 搬入が重なるとスタッフの意識が分散し、思い込みが発生しやすい
- 確認の限界: 騒音下での「聞き間違い」や、同姓同名・類似名(擬似名)による誤認のリスク
- 患者の状態: 意識障害やパニック状態により、ご本人による正確な返答が期待できないケース
どんなに高度な医療を提供しても、対象を間違えればそれは重大な事故であるという危機感を委員会で共有し、これまで入院患者さんに限定していたネームバンド運用を外来へ拡大することを決定しました。
徹底している「3つの安全ステップ」
現在は、以下のフローを徹底し、二重三重のチェック機能を働かせています。
1.入念な「初期照合」と「視覚確認」
搬入時、氏名・生年月日・年齢を口頭で確認するだけでなく、作成したネームバンドの表記(漢字の間違い等)をご本人に直接目視していただきます。ご本人の確認が難しい場合は、必ず付き添いの方に同席いただき、情報の正確性を担保します。
2. 「指差し呼称」によるシステム照合
処置や投薬の直前には、ネームバンド、カルテ、オーダリング画面の3点を突き合わせ、「指差し・声出し」による確認を行います。システム上のデータと目の前の患者さんが「同一人物である」という根拠を、都度明確にします。
3. 帰宅時の「確実な除去」フロー
外来特有の課題として「ネームバンドの切り忘れ」があります。これを防ぐため、ファイル内に**「ネームバンド除去確認カード」を挿入。会計や帰宅のプロセスにチェック項目を組み込むことで、私物の混入や外し忘れを防止しています。
導入してみて感じた「意識の変化」
外来でネームバンドなんて今更?」という声もありましたが、実際に運用を始めてみると、スタッフの行動に大きな変化が現れました。
物理的なツール(ネームバンド)があることで、確認作業がルーチン化され、「個人の注意義務」だけに頼らない仕組みが構築されました。スタッフからは「自信を持って処置に当たれるようになった」という声も上がっています。
患者誤認対策に「これで終わり」というゴールはありません。
今回のネームバンド活用はあくまで一つの手段です。
この運用を継続し、形骸化させないこと。
そして、常に「もしも」を想定する意識を持ち続けること。
患者さんが安心して救急医療を受けられる環境を目指し、委員会として今後も現場に寄り添った安全対策を推進していきます。
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社会医療法人有隣会 東大阪病院
看護部 外来看護師 О
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