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私の看護観 ~4階 回復期リハビリテーション病棟~
2023-12-25【カテゴリー】部署紹介/その他/なりたい看護師・看護観

私は、回復期リハビリテーション病棟に勤務して16年になります。
看護師になり、最初に配属された病棟は別の病院の泌尿器科の急性期病棟でした。
1年目は急性期病棟に配属されたこともあり、「患者さんの痛みや不安に寄り添う」ことを大切に日々、患者さんと接していました。

看護師4年目で結婚・出産を機に3年間休職し、29歳で回復期リハビリテーション病棟に復帰しました。回復期リハビリテーション病棟は急性期とは特色が大きく異なり、機能低下した患者さん・ご家族の障害需要のサポートと社会復帰支援です。

急性期病棟では自分の看護の対象は患者さんご本人だけだと思っていました。
しかし、自分の結婚・出産の経験を通じて「家族」のついての価値観が大きく変化しました。その時から「患者さん・ご家族の気持ちに寄り添う看護」を大切にしています。

復職して5年目に脊髄損傷でダブルストーマー患者のNさんを受け持ちました。
脊髄損傷の受傷起点はコンサート帰りにホームからの転落でした。元気に過ごしていた日から突然自分で足を動かずことも寝返りを打つこともできなくなり、回復期リハビリテーション病棟へ入院してきたときは、うつ状態で食べることもできない状況でした。ただ唯一希望されたのは、住み慣れた自宅に帰り、奥様のごはんを食べることでした。家族も障害を受け入れることができない状況で、奥様は「今後の生活をどうしたらいい?私に介護ができるの?」と面会のたびに不安を口にされていました。Nさんの自宅に帰りたい気持ちも、奥様の不安な気持ちも共感できました。

主治医・リハビリ療法士・管理栄養士と相談し、まずは「食欲が出て食べることができる」を目標にNさんのリハビリメニューを作成しました。
天気の良い日は患者さんとリハビリ療法士、看護師と共に栄養課の協力で病院食をお弁当形式にしてもらい、屋上でランチ会などをして、よりおいしく食べてもらうための工夫もしました。奥様の不安を傾聴し、早期より介護場面を共有しながら介護に関して抵抗がなくなるように指導していきました。

5か月後に、笑顔で自宅退院されました。

退院後に桜の絵手紙をいただきました。
そこには「一緒に桜を見に行きましょう。出会えてよかったです。」と書かれていました。
そのはがきは今でも大切にしています。

この経験以外にもたくさんの患者さん、ご家族との経験が私に看護の楽しさを教えくれ、つらい時には支えとなっています。また、患者さんの退院支援を行う中でともに働くリハビリ療法士や相談員と時には悩み・意見が衝突し・喜んだ時間を経て、築いた関係性は貴重な財産です。

看護観は人それぞれ異なり、看護師として色々な経験を重ねて変化していくものだと思います。
看護観は自分の実際の看護に反映されるので、患者さん、ご家族や同僚との出会いを大切にみなさんも自身の看護観を育ていきましょう。

新病院の4階に回復期リハビリテーション病棟はあります。
新病院は地下鉄蒲生4丁目駅⑦番出口から徒歩0分という立地、国道1号線沿いという都会の真ん中にあります。
そのため、病院の外周を歩くリハビリテーションというのは安全面などから難しいです。
そこをどうにか改善したいと、新病院の回復期リハビリテーション病棟にはバルコニーがあります。
外の空気を吸いながら歩く練習ができるなど、院外に出なくても外気浴ができます。
そのうえ、廊下幅を広くとり、廊下でリハビリテーションが出来るようにしてあります。

看護師がワゴンや電子カルテ用のパソコンを持って移動していても、その横でリハビリテーションが行えます。

すべては患者さんの「最大限の機能回復」「最大限の能力の活用」「社会参加への復帰」に貢献するためです。

 

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社会医療法人有隣会 東大阪病院
看護部

文責:4階病棟 師長M

*無断転載禁止

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2023年12月25日投稿

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