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看護師指導者が知るべきOJTの秘訣:東大阪病院が実践する「心理的安全性」と「共育」で新人が輝く現場へ
2025-6-10【カテゴリー】質向上への取り組み/中途教育/新人教育/なりたい看護師・看護観/研修について

こんにちは!東大阪病院 看護部 教育担当主任のIです。

先日、当院では実地指導者向けの研修「指導者が知っておきたいOJT手法」を開催しました。
この研修は、新人看護師さんや中途入職者、経験の浅い看護師さんを指導する、クリニカルラダーレベルIII以上の看護師を対象としています。
東大阪病院では、質の高い指導体制を整えるため、対象者全員に受講してもらうべく、計4回にわたって実施いたしました。

東大阪病院がこだわるOJT:「心理的安全性」と思考を引き出す「思考発話」

今回の研修で、私が最も現場で実践してほしいと願ったのは、「心理的安全性」と「思考発話」です。

OJT(On-the-Job Training)は、座学の研修とは異なり、日々の業務の中で直接レクチャーしながら指導していく、実践的な指導方法です。
学習者が実際に見て、聞いて、そして自ら実践することで、着実にスキルを身につけていきます。

看護師は、患者さんの状態をアセスメントする際に、「なぜ?」という根拠を深く掘り下げることを非常に大切にします。そのため、指導の場面でも、適切な「発問」、つまり良質な質問を通して、学習者に深く考えてもらうことは、学びを深める上で大変有効です。

しかし、まだ知識や経験が少ない学習者に対し、答えが出ないまま問い詰めてしまうと、それは時に学習者にとって、非常に辛く、プレッシャーを感じる時間になってしまいます。

そこで今回の研修では、それよりも効果的な手法として、「指導者が自身の観察や行動の意味づけを言葉にする『思考発話法』」を積極的に活用してほしいとお伝えしました。

指導者の思考プロセスを共有することで、
学習者は

「なぜそう判断するのか」

「なぜその行動をとるのか」を

具体的に理解しやすくなります。これは、単なる知識伝達に留まらず、考える力そのものを育む上で非常に重要です。

「なぜ?」を残さない指導で、看護師が自信を持って輝く職場へ

一日の業務の終わりには、学習者が「なぜ?」という疑問を残さないよう、惜しみなく根拠を教えてあげることの大切さを伝えました。
そして、学んだ内容が次に同じような状況に遭遇した際に「気づき」として引き出せるよう、学習者自身にも調べることを習慣化し、知識を定着させていってほしいと願っています。

大切なのは、新人の看護師さんが過度な緊張状態に陥ることなく、日々の業務に集中できる環境を整えてあげること。

質問したい時や、自分の意見を伝えたい時に、安心して発言できる関係性、すなわち「心理的安全性の高い職場」を、私たち指導者全員で創り上げていきたいと考えています。

私自身の経験から得た「共育」への情熱

私自身、かつて新人の頃、ある病院で働いていた時に

「言いたいことなんて言えない」

「自分の意見は必要とされていないだろう」と感じる環境を経験しました。

実際に「新人のくせに意見してる」と言われたこともあり、その時は非常に悔しい思いをしました。

当時の先輩方が、私たち新人の成長を願う愛情を持っていなかったわけではないと思いますが、もしかしたら「指導方法」について学ぶ機会が少なかったのかもしれません。

その経験から、私は意見を言いづらくなり、報告が遅れてしまうこともありましたし、自分らしくいられない時期もありました。どんなに勉強しても内容が頭に入ってこず、自分を卑下してしまったこともあります。

このような無駄な苦しみをせず、むしろ「楽しい!」と感じながらの方が、人は大きく成長できると私は確信しています。

このことを指導者側にも深く理解してもらい、学習者側もしっかりと指導者の思いを受け止めて、互いに成長し合える「共育(きょういく)」の関係性を築いていきたいのです。

今回の研修内容が、皆さんの現場で一つでも役立ち、新人の看護師さんが自信を持って成長できる、より良い看護部づくりに貢献できることを心より願っております。

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社会医療法人有隣会 東大阪病院
看護部

文責:看護部教育担当主任 I

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2025年6月10日投稿

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