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PTA(経皮的血管形成術)の見学を看護師がしました。その目的とは?
2022-6-20【カテゴリー】部署紹介

今日はPTA(経皮的血管形成術)※についてお話したいと思います。


PTA(経皮的血管形成術)とは?
 Percutaneous Transluminal Angioplasty(経皮的血管形成術)の略です。経皮的シャント拡張術とも言います。
 先端に風船(バルーン)のついたカテーテルをシャント内の狭くなった部分(狭窄部)に進め、そこでバルーンを膨らませることによって狭窄部を拡張する方法です。手術時間は30分~1時間で、局所麻酔を行い、治療します。





 血液透析を受ける患者さんのシャント(血液透析を行う際、充分な血液量が確保できるように、動脈と静脈を体内または体外で直接つなぎ合わせた血管の事)が狭くなると血液の流れが悪くなり、放置すると閉塞してしまうことがあります。
 シャントがうまく機能しないと血液透析に必要な十分な血液量が確保できず、安定した透析を提供することができません。そのため、シャントの狭窄が認められるときには、できるだけ早く狭窄を改善することが必要になってきます。



 このシャント狭窄の治療法として、PTA(経皮的血管形成術)が第一選択となります。



 PTA(経皮的血管形成術)はカテーテルを血管に挿入し治療するため、皮膚をメスで切ったり、全身麻酔をかけたりする必要がないため、患者さんの身体への負担が少なく、PTA治療後すぐから血液透析を行なえるというメリットがあります。当院ではこれまでもシャントPTAを行なってきましたが、2022年度は更なる強化を目指しています。



 まずは、私たち透析室のスタッフがシャントをより深く理解し、適切な穿刺部位の選択や患者さんへシャント管理に関する教育指導を行うことで、シャントの寿命を長くしたいと考えています。そして、将来的にはPTA(経皮的血管形成術)の場面でも透析室の看護師が介助に入ることで患者さんに安心して治療を受けてもらい、その後の血液透析の実施までをスムーズに行えることを目標としています。


 この取り組みの第一歩として、透析室の看護師がPTA(経皮的血管形成術)の見学をしました。

◉看護師Yさんの感想(経験15年) ◉

 PTA(経皮的血管形成術)では血管を広げる際に痛みが生じることが多々あります。イメージはしていましたが、実際に患者さんが痛みに耐える姿を見て、出来る限りのサポートをしていきたいと感じました。もちろん、痛みに対して鎮痛剤や鎮静剤を使用することもできるのですが、高齢の方が多く、副作用のため帰宅が難しくなることへの心配や血管収縮をきたす可能性があり、使用することが最善ではない場合もあります。そのため、私たち看護師が前回の情報を正しく把握し、処置中の患者さんの反応をしっかり観察して医師に伝えていくことや処置中の声掛けや対応が重要だと考えています。また、現在処置の介助についている手術室看護師の処置の流れや患者さんの反応など全体を把握する力、医師の手技の先を見越して阿吽の呼吸で対応する手際の良さに流石だなと感心し、自分自身もその姿を目指していきたいと思っています。




◉看護師Kさんの感想(経験3年)◉

 透析室に勤務して3年になりますが、初めてPTA(経皮的血管形成術)に立ち会いました。緊張のあまり瞬く間にPTA(経皮的血管形成術)は終わっていました。医師に必要な物品を手渡すことなど医師の介助が主で、透析室での業務と違うことが多く、戸惑うばかりでした。初めて見るPTA(経皮的血管形成術)で、ついつい医師の動きにばかり目が行き、患者さんの反応や介助する手術室看護師の動きは殆ど観察できず…一緒に見学した先輩看護師は、医師の介助をしていた手術室看護師の動きをよく見て、自分が介助に入るときにどう動いたら良いか観察していたとのことでした。今回のPTA(経皮的血管形成術)見学を通して自分の処置介助の経験不足を痛感しました。そしてPTA(経皮的血管形成術)での患者さんの痛みを知ったことで、今まで以上にシャント音やスリルの異常があれば早期発見し、適切な対応ができるようにしていきたいと思いました。




 実際のPTAを知ることと、介助者としての役割を学習し、学びを深めていただきました。