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看護師28年目の私がペットロスから学んだこと
2021-08-16 / カテゴリー: 緩和ケアについて


 
東大阪病院 看護部 緩和ケア病棟に勤務している看護師Nです。

緩和ケアに携わり、5年になります。


私は看護師28年目。


今回は


ペットロスでの苦しみから学んだこと



をお話しします。


今まで死の恐怖と向き合っている患者さん、癌で大切な家族を失うご家族に自分なりに寄り添ってきたつもりでした。


去年5月に私は13年共に生きてきたシーズ犬「ショコラ」を看取りました。


腎不全から敗血症になり、余命数日と言われ毎日病院に通う日々の中で、今日が厳しいかもしれないと言われ、泣きながら帰ってきました。
私は危篤状態のショコラを娘に預け、突然美容院へ行きワインを買ってきました。帰ってからもショコラを抱くわけでもなく食べて飲んで過ごしたのです。その日は天気もよく散歩に行ったら喜ぶかなと思いましたが「明日でいいか」と思い、行動に起こすことはありませんでした。その日の夜いつもは腕枕をして一緒に寝るのですが、なぜかその日はショコラと向き合えず、話しかけること抱っこすることもなく少し離れた場所で寝ました。夜中の4時過ぎフッと起きるとショコラの呼吸はもう止まりそうで身体は冷たくなっていました。





なぜ最後の1日を大切にしなかったのか?





なぜ今日か明日かと言われていたのに命と向き合えなかったのか?




緩和ケアの看護師として、日々患者さんの命と向き合っているのに、なぜ大切な家族であるショコラの命から逃げてしまったのか?





なぜ抱っこして優しく話かけながら寝なかったのか?





なぜそんな日に美容院へ行ったのか?





遺骨を抱きしめながら息もできなくなるくらい涙が止まることなくあふれ、大きな後悔だけが残り苦しみで心が壊れそうでした。



ペットロスのカウンセリングも受け、自分と向き合う練習をしてきました。その中で私は看護師として今までご家族に寄り添ってきたつもりだったなんて、何ておこがましかったのかと気づきました。


私は今までは、患者さんが余命数日の状況下で付き添うこともなく帰ってしまう家族に対し悲しい思いをしてきましたが、大きな間違いでした。愛犬の死を受け止められなかった自分、思い返してみるとやっと家族のそのような反応が心から理解できるようになりました。認めたくない、自分の家族だけには奇跡が起こると信じたい想いから、死を受けとめ切れない感情があること。





看護師28年目の私がやっと気づいた感情でした。





ショコラから「お母さん、緩和ケアの看護師としてもっと成長してね」と言われているようでした。



大きな後悔だけが残ると、本当に苦しいと身を思って学んだ私。
今、ご家族と向き合う中で「どんな見取りとなっても必ず後悔は残ってしまうと思います。でも、その後悔を少しでも少なくするために、今できることを一緒にしましょう。」と言えるようになりました。



今は新たな家族として保護犬のトイプードルのクルミちゃんと過ごす日々です。




愛情を知らずに感情が全くなく逃げ回っていた愛犬が今は散歩に行き・甘え・寂しいと拗ね、当たり前の感情が出せるようになりました。



これからもショコラが出会わせてくれた大切な命と日々向き合いながら自分自身とも向き合っていきたいと思っています。

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