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理学療法士とロボットの共存
2023-1-12【カテゴリー】PTの仕事/その他

 理学療法士とロボットの共存 ・・・


 ロボットとリハビリテーション ・・・


 作業療法士とロボットの共存 ・・・


 近年、リハビリテーションを取り巻く環境は大きく変わってきている印象があります。
 今まではリハビリ療法士(理学療法士、作業療法士など)の個々の技術や感覚、センスなどに頼り切っていたのが、電気刺激(当院ではIVES)を使用したリハビリ、VR(ヴァーチャルリアリティー)を使用したリハビリ、超音波を使用したリハビリ(運動器エコー)などが普及してきています。
 当院でも昨年10月よりウェルウォーク(WW-2000)という歩行支援のロボットを導入しました。


 ロボットの導入という視点で言えば、私たちのリハビリテーション業界よりも介護業界が急務だと思います。それは2025年問題※がすぐそこに迫っているからです。高齢者の数に対して介護者が不足しているため、介護ロボットの普及によって人手不足の解消や負担の軽減に役立つのではと期待されています。


  また、患者さんの生体情報を数値化できるものとして以前から研究分野で使われてきた 筋電図、重心動揺計、動作解析装置といったものも現場レベルでも使用されることが多くなっている印象です。

VRの一例

日経デジタルヘルス2020.5.28 P44~47 VRで脳を鍛える「リハビリ革命」最前線より引用


 私が理学療法士になった10数年前とはかなり状況が変わってきているなと感じます。今日は当院でも導入をした歩行で使用するロボットについて少し話をさせてもらいたいと思います。

 歩行で使用するロボットには
 ① 自立支援タイプ
 ② 練習支援タイプ があります。

①自立支援タイプ
 自立支援タイプは脊髄損傷者や中枢神経の疾患の方の歩行再建で使用します。運動麻痺などの機能改善が主たる目的ではなく、ロボットを使用し、特定の活動が可能になることを目的にしています。例えば、日常生活での歩行場面で使用していきます。

自立支援タイプロボットの一例 EKSO

Ekso Bionics ホームページより引用


 ②練習支援タイプ
 練習支援タイプは当院でも導入しているウェルウォーク(WW-2000)などで、目的動作の習得に効率的な練習難易度を調整し、練習課題の適正化を目的にしています。リハビリのときのみ使用します。

ウェルウォーク WW-2000

歩行で使用するロボットについて簡単に述べてきましたが、誤解を恐れずにいうと、ロボットを使うだけではあまり意味がないと感じています。
 なぜなら、ウェルウォーク(WW-2000)を実際に使用してみて感じることは、ご自身では立ったり・歩いたりが難しい介助量の多い方には「まず立つ・歩く」という意味では非常に有効だと感じます。しかし、ある程度ご自身で歩くことが可能な方(一人では難しい)に関しては、歩きにくくなっている原因に対し、われわれ理学療法士の介助や声掛けが非常に重要だと感じるからです。そのためにも、患者さんの希望を達成するために何(運動機能の向上なのか補助によるサポートなのか)が必要であるかということをわれわれ理学療法士自身が分かっていないといけません。
 さまざまなリハビリの方法がある中で、一番効率的にかつ最高のパフォーマンスをだせる手段が、ロボットを使用したリハビリであればロボットを使用したらいいと思います。もし、ロボットを使用しないリハビリの方がよいのであれば、ロボットを使用しないリハビリが最も有効になりうると思います。
 患者さんが最大限の能力をリハビリの中で発揮できるために、どのようにロボットや機器を使っていくかがとても重要です。
 今から10年後には現在とはさらに異なる最新のテクノロジーがリハビリテーションに導入されるようになっているかもしれません。リハビリテーションの世界は日進月歩で進化しているので、私も日々研鑽していきたいと思います。


※2025年問題とは?
「2025年問題」とは、西暦2025年以降、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、日本が超高齢化社会になることを指します。
団塊の世代の人口は、現在約800万人。厚生労働省の試算では、この方々が75歳以上になると、現在約1,500万人の後期高齢者人口が、約2,200万人に膨れ上がるとのこと。我が国は、国民の4人に1人が75歳以上という、世界史上類を見ない超高齢化社会に突入することになります。

これにより、さまざまな問題が発生することが予想されます。まず挙げられるのが医療です。近年、病院はむしろ減少傾向にあり、その一方で、医師不足や看護師不足が問題となっています。このような状況で、若い世代に比べて医療を必要とする可能性の高い高齢者が増えていけば、医療現場が対応できなくなることが考えられます。

また、介護の問題もあります。家庭内に介護をしてくれる人がいない核家族化が進む中で高齢者が増えるわけですから、より多くの介護サービス施設や人材が必要になることは明らかです。

当然、医療や介護に必要な社会保障費の増大も深刻な問題になることが予想されます。国や自治体の財政を相当圧迫することが考えられます。

社会の活力という点でも影響が出ると思われます。我が国の人口は2010年を境に減少に転じました。若者が減り、高齢者が増えるということは、労働力人口が減少することを意味します。すでに人材採用で苦労する企業が増えていますが、その傾向は今後ますます強まっていくことが考えられます。

2025年まで2年を切りました。

・HRpro.2025年問題.https://www.hrpro.co.jp/glossary_detail.php?id=161,(参照2023-01-12)

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ウェルウォーク(WW-2000)を導入しました。
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