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リハ部ST勉強会で失語症とICFを勉強しました。
2017-10-11【カテゴリー】STの仕事

こんにちはニコニコ

管理職ブログチーム、言語聴覚士Iです。

 リハビリ部では、PT・OT・STの各チームに分かれて毎月勉強会を実施していますが、先月のST勉強会は

「失語症×ICF」

というテーマで行われました。

 ICF …皆さまご存知でしょうか?

リハビリテーションに従事する方なら必ず知っているかと思います。リハビリ療法士を志す方はしっかりと勉強しておいてくださいね!

これからの日本の医療と福祉の分野は、病気や障がいをもたれる方々でもできる限り家で過ごして、地域でその方を支えていこうという「地域包括ケアシステム」の時代に突入していきます。その中で、ICFの考え方が非常に重要となってきます。

 ICFは「国際生活機能分類」という略語で、病気や障がいをもつ人がどんなことで困っているのか、どんなことは出来るのか、ということを、個人や生活背景を含めながら包括的に捉えようとするモデルのことです。一般的に知られているモデル図は以下のようなものです。

 例えば今回の勉強会テーマで挙げた「失語症をもつ人」を例で考えますと、失語症は「言いたい言葉が出にくい」「相手の話す言葉がわかりにくい」などの症状が出ます。これは【心身機能・構造】という枠組みとなります。そういう症状が出ると生活上困りますよね。
生活上では「うまく人と会話ができない」という困ったことが起きてきます。これが【活動】という枠組みに当てはまります。
そして、うまく話せないとなると「家の外に出て買い物をしたり、催し物に出るのも億劫」になってしまうこともあります。これが【参加】という枠組みになります。
 つまり、単に障がいや症状を問題点として捉えるのではなくて、それが家の生活や地域社会にどう影響するのかを考える。

【活動】と【参加】の視点を持つというのがICFの大きな特徴 と言えます。

また問題点というのは、その人の個性(【個人因子】)や周りの環境(【環境因子】)によっても大きくなったり小さくなったりして、それらを考慮しようというのもICFの特徴です。そしてもう一つ、「できない」「難しい」という視点だけではなくて、「これはできる」「あれもできる」というプラスの部分も見ていこうというのがICFの大事なポイントと言えます。俗にプラス思考とは言いますが、プラスに着目すれば、マイナス面もまた違った捉え方となり、関わり方が変わってくる。そんな考え方の根本的な転換、発想の転換みたいなものも、リハビリには必要なのですね。

 さて、前置きが長くなりましたが、ST勉強会ではICFの基礎と、事例を通して失語症におけるICFの捉え方を勉強しました。下の図はその一例ですが、失語症を持つご本人が「喫茶店でアイスコーヒーを注文したい」という希望があり、実際に喫茶店へ行って注文練習をしたという【参加】に対して言語療法介入をしたというものです。(個人が特定されないよう、記載内容は実際とは一部変更して掲載しています)

 【個人因子】におけるご本人の希望と、【環境因子】で実施できる環境なのかを精査し、【参加】で既に喫茶店へ行くことは習慣化できていたことを考慮して、実際の注文練習を行うことができました。

 このように、言語療法においても、時には家や訓練室を飛び出して、外でコミュニケーションや言語訓練を行うことも必要だというのが、ICFでの評価から言えるのではないかと思います。失語症という、コミュニケーションにハンディキャップを抱える方々を、地域や社会へつなげることも、私たち言語聴覚士の使命です!

そんなことを勉強会で、みんなで学びました。これからも、患者さんが何に困っているのか、どういうことを望んでおられるのか、患者さんが主体の言語療法を目指していきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。 

文責:言語聴覚士I
*無断転載禁止

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